第12エイド60キロ。6時間半経過。道の駅で地元野菜即売中。
Katellさんはフランス人の女性。50キロ過ぎになんとなく併走し始め、少し英語で話したら「一緒に走ってくれ」という。ちょうどマンネリ化してきたころで、ペースが同じくらいでもあり、いいか、と。結局このあと143キロ地点まで約13時間一緒に走った。彼女は通訳、メッセンジャー、話し相手が欲しかったようだ。
第13エイドで。もう山の中。エイドでこちらを向いているのがKatellさん。背が高くてがっしりした骨格。この人だけ名簿に年齢が表示されていなかった。拒否したんでしょう。フランス人らしい。
去年のスパルタスロン完走して今大会に参加。モンブラン168キロ、とかアフリカ縦断アドベンチャーゲームとか、そういうのに参加してきた、という話。バイクも、カヌーも、ラフティング、クライミングも何でもやり、仕事もそういうインストラクターみたい。
第13エイド。果物に笑顔。ところで調子は?というと、3月の24時間ランに比べれば悪くない。あのとき内臓がくたびれていた。今回走る前3日完全休養で走らず。食事も酒のまず胃腸を休めた。
数日前からのどが痛くて風邪か?にしては場所が変で?と心配したがここまで痛みがぶり返す様子はない。
とはいえ、毎度のこと30キロも走るとすでに足が疲れてきた。こんなんであと200キロ走れるのだろうか?といつも不安で仕方が無い。こればかりはいつも不思議。100キロ超は足が疲れたり回復したり(気のせいだろうが)、一進一退しながら歩を進めてゆく。
道は遠く果てしない。岐阜を北上するに従い山また山。コースは長良川と長良川鉄道に沿いながら続く156号線。帰りに長良川鉄道で戻りながら眠い眼をこすって沿線をみると走ってきた光景が眼前に。
自然一杯のいいところだ。
第14エイド。72.1キロ。今回全部のエイドの写真を撮った(つもり)。このあたり、どうしてもKatellさんが写っている。彼女は暑い暑いと水を飲んで被っている。自分は暑いのすきなのでこれくらいちょうどよし(24度くらい)。胃がやられるから飲むほうをセーブし始める。
8時間経過。まだまだ。このブログも長くなりそう。回顧するだけで疲れる長さだ。まあ夜になると写真も書くこともなくなる。
話したことがあるフランス人女性はフランス語の先生がほとんどで、Katellさんもなんだか先生みたいな厳しい人。というか、ペースを自分で決めてこちらに指示してくる。幸い遅めで、GPSを見ながら何キロ走ったから2分歩こう、というぐあい。飛ばし始めると「Slowly!」としかられる。
これは何?と聞かれ(お地蔵さん)、一種の仏陀です。と説明したり。
川に飛来する鳥のことについて聞かれたり。ほとんど話すのは彼女の方。
3年前に乳がんで手術して去年から復帰した、というような話もしていた。子供の話とか。
山間の道。微妙に傾斜があり、上り坂だと走るか早足で歩くか迷う。こんな風にちゃんと歩道があるところはいいが、無いところが多くてそういうところはむやみに飛ばせず。
疲れた、というよりこれから先が長いから消耗せず体力を温存したい気分(消極的)。
第19エイド。高校生(たぶん)が詰めていた。外人さんがきた、あんた英語得意でしょう、はなしなよ。とかやってた。
写真のようにエイドがあるとつい座ってしまう。この時間的ロスはかなり大きい。といってこれだけの歓待、そっけなく過ぎるのももったいなし。
こうみるとどこも同じようね。エイドの様子は。大会のエイドはS,M,Lに分かれていて、Sが飲み物だけ、Mが+果物、ゼリー、ヨーグルトなど。Lは食事提供、となっている。
こちら第16エイドは郡上八幡の体育指導委員会の方々。Sエイドだけどちゃんと食べるもの並んでます。
前半の一区切り第21エイド(106.9キロ)=第1チェックポイント。関門14時間。われわれ、Katellさんと2人は12時間半で到着。予定通り。
ここは主催の白鳥町の美濃白鳥駅前。白鳥踊りの像があり。
夜6時半となり、ここに防寒用のゴアテックスと手袋を預けてある。取り出して着ると、ゼッケンを必ずみえるところに貼るように、とスタッフの注意。不恰好に縦に貼る。
Katellさんの御家族、友人の応援団が4人詰めていてやいのやいの。彼女は着替えやらなんやらで20分くらいかかり。出発したらもう真っ暗。待っている間に隊長に短信を打つ。
沿道はさくら道なのでところどころさくらがある。ここいらまでくると山の中とてまだ咲いている。
第23エイド。今回はエイドが多くてスタッフが撮ってくれるから自分の写真が多い。もう標高が高く外は寒い。止まって走り出すと震える。
日が高いうちはまずまずだったKatellさんのペースが鈍ってきた。口でははっきり言わないが、股関節が痛そう。おなかの調子もすぐれない。走っては止まり、になり始めた。
自分の方は、100キロを過ぎてようやくペースがつかめてきた。こんな距離のレース年何回も走らないから自分にベストの走り方を忘れている。去年の萩の時も100キロ過ぎに調子が出てきた。
この距離での自分にとってのペースは、8-9キロ/時間で疲れない走り方。それだと苦しくなってもなんとか進む。頭でどうするのか理解していないが、体がそう適応してゆく。
と、走りはそうなのだが、疲労感は時間を追うごとに蓄積してゆく。寒いから足が冷えるのが救い。コース最高所の950m付近にさしかかり気温5度。天然のエアーサロンパス。
自衛隊の車の脇で。まあ、こんなことしてられるくらいだからまだいいか。
最高地点少し手前ひるがの高原エイド第25番エイドで、距離もちょうど中間点。Katellさん座り込み、また隊長に短信を送る。すぐに返事。
半分きたところで特に大きな故障がないから安心。
エイドのおじさん、できあがっているみたいでKatellさんに絡む。「Tortureみたいだ」とのコメント。
相変わらずおにぎり、味噌汁とバクバク食べる。今回食欲は失せなかった。
ピークを越えると下り。時間を稼ぎたかったがKatellさん進めず。夜だし(22時過ぎた)ここで置いてゆくわけにも行かず。
第26エイドでネイチャー参加を勧めてくれたFさんが。リタイヤすると。何も言えず。
とりあえず次の関門、143キロの荘川桜を目指す。そこでどうするか考えようか。そうKatellさんにいいたかったがずばり言えず。
正直、このペースだと完走難しい。悩む。
歩き通してやっと到着荘川桜。樹齢400年とかでとても桜の木に見えない。ダムに水没する寺にあったのを峠に移植して見事根付いた、奇跡の桜で、さくら道のシンボル。
ライトアップされてきれい。ちょうど満開時期。
ここに第2関門あり。20時間以内。われわれは18時間35分くらいで到着。このタイムならまだいける。が、Katellさんいけるか?
彼女はエイドで荷物を受け取り着替え、自分は座ると足が固まって動けないからその辺を歩き回る。
着替えが終わり、さて出ようか、と声を掛けたら。「I can't start]という。
そうですか。とやはり話すことなく。内心少しほっとしながら。
ではここで、と記念撮影。体格といい、厳しい顔つきといい、エイリアンで有名なシガニ・ーウィーバーみたい。始終真剣な顔つきでこんな風に笑ったのはこのときが初めてだった。