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2008年2月25日 (月)

「2007年の笑傲江湖」(3)

 午前中また東方医院へ包帯取替えにいった。昨今の流行でこの病院でも患者にカードを作りコンピュータ管理している。が、自分もその前の人もリストに名前があるのに病歴データベースが開かない。前の人はあーだこーだ医者と大騒ぎしてた。

 月曜とあって患者さんが多い。金曜と同じ処置室に入り、同じおばさんに包帯を換えてもらったがおばさんは覚えていないようだった。同時に包帯巻いてもらってたおじさんが「おねえさん(姑娘)ありがとう」といったら、おばさんが「ここにはおねえさんなんかいないよ。おばさんだけさ」などとどこの国でも似たような会話するものだ。

 もうかなりいい。外傷はよくなるに従い痛みが取れてゆくからわかりやすくていい。

 さて。なかなかはかどらない「2007年の笑傲江湖」。もうとっくに2008年になったし「倚天屠龍記」を読み始めてしまったし。はやく決着させねば。

Cimg32242 4巻本の3冊目。右側が前に読んだ三聯書店版、左が今回の広州出版社版。中身はまったく同じ。値段は右が1999年で4冊76.8元。右が2007年32元。こう見ると三聯書店版は当時としては無茶苦茶高かったんだ。あのころ買った「賈平凹全集」8冊平均600ページくらいがそろいで108元だったから400ページの本としては高い。

 さて、回でいくと第21回ー第30回。この物語の中で一番面白いのがこのあたり。ユニークな人物が多い中でも異彩を放つ江南四友の話はちゃんと結末までゆく。書画音曲囲碁は金庸の得意の題材だが、ここまで集中して出てくるのは本書だけ。残念ながらあっけなく凄惨な成り行きとなるし、彼らが案外小物だった、ということにしてしまう。ちょっともったいない。もう少しこの4人を後まで残して活躍させてほしかった。評論を見ても江南四友に肩入れするそういう意見が多いようだ。特に黄鐘公は戦闘シーンからするともっと強くないとおかしい。

 令狐沖は例によりありえない偶然で吸星大法を取得。読んでいるとこれでダメージは回復するか、と思うがそうもいかない。どうもこの辺エピソードが無駄になっているように思う。とはいえ、この段の主人公はなんといっても任我行。彼はこのあたり生き生きした巨悪として武功の達人として、侠者として精彩を放っている。4巻になるともうえらくなりすぎてつまらない。

 このあと、しばらく出てこなかった儀琳が登場してしばらくの間まじめなようなふざけたようなやりとりが令狐沖を挟んで進行する。やっぱりこの物語の女性でで一番すきなのは儀琳だ。ただ、恒山派は弱すぎないか?廿八鋪で嵩山派にはめられるところなど福威鏢局、林震南がつぶされるところと同工異曲。相手に気がつかないとはだらしない。弱くてやられる場面にユーモアを持ってくるのが金庸の常套手段だから悪くはないが。それにしても嵩山派は多士済々。次々とそこそこの強いやつが出てくる。そんなに左冷禅は人望があるのか?

 そうこうしているうちに労徳諾の正体がばれたり、避邪剣法が現れたり。岳不群がだんだん本性を出しはじめたり。いままでもどかしかったのが急に話が進みだす。莫大先生がいきなり出たり。どうもこの話は構成が雑というかつぎはぎした感じがある。何で彼は令狐沖の居場所を知っているのか。とか。急に盈盈のことを言い出すのか。とか。

 盈盈。任盈盈は「「倚天屠龍記」の殷素素と似た境遇の女性。盈盈もかなり武功達者だし少林寺の人間を殺したりするし、東海の孤島に気に入らない豪傑を追放したりするし。しかし、令狐沖を少林寺に運んでいってから人物ががらりと変わったように善玉扱いされる。その後も素素みたいに不幸な目にはあわない。倪匡だったか、何で儀琳の方ではなく盈盈を選んだのか?と金庸を責めた、という話をどこかで読んだことがある。難しいところだ。ただ、ストーリー的にこうしないと決着がつかない、という事情はあるようだ。そうしないと日月教内部は納まらない。

 豪傑が少林寺に攻めるお祭り騒ぎ。少林寺での任我行と方証らの戦い。正統的武侠小説の見せ場が堂々と展開している。当代きっての使い手が一堂に集まり戦う、という趣向は金庸でも案外みられない。ここから恒山派の話へと移行するまで夢中になって読める。

 そろそろ東方不敗とは何ぞや?というずっと引っかかっている疑問にストーリーが展開してゆく。黒木崖は河北省にあることになっている。ちょっと読んだだけではわけがわからない複雑なルートを通ってやっと黒木崖の本拠にたどり着く。いつも思うのだが武侠小説では政府は江湖にまったく力が及ばないようになっている。こんなに大掛かりな基地を持って組織を持つ勢力を政府がほうっておくととは考えられないのだが。

 

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