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2008年1月21日 (月)

連城訣

Cimg27872  「笑傲江湖」の後廈門旅行中から読んで昨日読み終わる。約2週間かかった。読むのは2度目でメモをみると最初に読んだのは99年8-9月。金庸全集最後の1冊だった。

 読み返すと細かいところをほとんど忘れていた。水笙のこととか、血刀僧のこととか。記憶力とはこんなものか。

 前回読んだ感想メモを見ると、

・戦う場面がほとんどない

・ストーリー展開、特に最後の方が急であわてて終わらせた感がある。もっと長くするつもりが途中で終わらせたのでは?

・主人公は張無忌、石破天と同じ自分の意思の無い人物。

など書いている。その通りだ。世間一般では「飛雪連天射白鹿 笑書神侠倚碧鴛」のうち短編の「白、鴛」を除く12作中この小説の評価が一番低いようだ。金庸評論本は本書にほどんど触れていないし評価は低い(倪匡の評価は14編中9位とそう悪くない)。主人公狄雲の武功の評価も低い。同じくらいの長さでも「雪山飛狐」は評価が高い。

 なにしろストーリーが暗い。登場する親子が4組ある。戚長髪ー戚芳、万震山ー万圭、凌退思ー凌霜華、戚芳ー空心菜。母子の戚芳ー空心菜を除く3組は親子の情が全く無い。凌退思ー凌霜華は親が娘を生き埋めにしてしまう。戚長髪は娘を捨てて仇の嫁にしてしまう。万震山ー万圭は欲で結びついていざとなると殺しあう。

 登場する江湖人士に師父ー弟子の情もなし。武侠小説の約束事をことごとく破る内容になっている。金庸得意の道化キャラクターもいない。そもそも苦笑い以外で笑う場面がほとんどない。恋愛は全て悲恋になり両方か片方が死んでしまう。

 あとがきで金庸は本書は昔作男に聞いた身の上話を元に着想したと書いている。しかし、どうも金庸らしくない。代筆者がいたのではないだろうか。文章があまりに硬いというか遊びが無いというか含みが無いというか。プロットに伏線を張って解き明かすのが普通のやりかただが、伏線はなくいきなり真相が露になり、主要人物が殺される。

 評価が低いのもしょうがないか。狄雲はこれといって特徴がなく、彼にに比べれば胡斐の方がはるかに生き生きとして魅力的だ。登場人物が少ないのでストーリーが単純で読みやすい、とはいえる。

 36巻のちょうど真ん中。「倚天屠龍記」と「天龍八部」という重厚な2小説の間に挟まれた不思議な物語、といえる。

 

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